与。

思えば、わたしは本当に普通の子どもだったころから、与えられることより与える方が好きだった。

与えられるより与える側でありたいと思い、
愛されるより愛する側でいたいと思っている。

けれど、それなりに成長し、いまは猶予期間のただなかにいるわたしは、
それらをすこし捻り、なおかつ斜めに見ながら考えるのだ。

それらはすべて、あらゆる逃げを伴っているのではないのか、と。


与えられることがなくても、あいされることがなくても、
そういったものの見返りがなにひとつなくても、
与える側である限り、与えることによる幸福感は損なわれることがない。


やっぱりそうだ、これらはすべて誰の為でもない。
わたしはわたしの為に、与え、愛すのだ。

（日記の隅）

時折凄く後悔する事は勿論ある。
一晩しっかり寝ると大概のいやなことは殆ど流れてしまうけれど、それでも胸に残る、ざりざりとした小石の感触。

誰も彼もと、幾つ道を分けてきたのか、そんなものを数える悪い趣味はわたしにはない。


ひとは日常のうちに失念してしまうのだ、遅かれ早かれ道は分かたれるのだと。
その事を思い出すのは誰かとの道が分かたれた、その後。
そのことを忘れて、何度も繰り返してしまうのが、ひとというもの。

授業中に思わず。

書き留めちゃったヨ。
合点が行き過ぎて飛び跳ねるかと思った。
ああ、あー…そっかそっか、解った、よく解った。

ゴーストって結局のとこ、八つ当たりで人を殺すから、
同情と恐怖が湧くのと同じくらいに、フザケンナと殴り飛ばしたくもなるのか。

目からウロコ。

為、

『自分の為に戦えないと、早死にするものよ』

大丈夫、わたしは自分の為にしか頑張らない。
誰かの為になんて押し付けがましい上に、馬鹿馬鹿しい。

自分の行動が誰の利になったとしても、
それは自分で望んだ事だ、自分で選んだもの、それらは全て自分の為でしかない。
『誰かの為に』だなんて責任転嫁もはなはだしい。

他が為にと驕るな。
忘れちゃいけない、履き違えちゃいけない。

自分の選ぶもの、全ては常に、自分の為。

青い鳥の眠る籠。

何となく、きみはきっと其処に居続けるのだろうと思っていた。
手を伸ばせば届くところ、会いたければ会える距離、話したければ、言葉を交わせる距離に。

其処に在り続けるモノなんて、何処にもないのに。
人は、ふたつの脚を持つ生き物なのだから。

…わたしは君に、少しの有難うも返せていない。
まだ、返してない。