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【PBW】シルバーレインPC、闇無陽の日々の戯言、お心当りが無いのでしたら、回れ右推奨です。
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28日。
確か、バイトを入れていたようなと、手帳を開けば、其処にはキッチリと「バイト」の青文字が記されていた。


溜息はひとつ、そして親指は的確に数字を弾いた。

 


+ + + + + + + + + +

「ケイコさん?こんばんは、お疲れ様です」
受話器から耳朶を叩く、惚けた声音が名乗らずとも声の主を伝えた。
「なんだ、ひな子ね、どうしたの、シフト変更?」
「28日、朝の6時から仕事入れてたんですけど、ちょっと 外せない用事が出来てしまって」
村居ちゃんにチェンジお願いしたので、確認お願いしますね、と言ってから、繕う様に、夜遅くにすみませんー、と、惚けた声が続けた。

片手間に棚を拭きつつ、にホント迷惑だわ、と答えてから、不意に覚えた喉に何かがつかえたような違和感。
耳聡い彼女の口から、『なんだひな子か』とは何事、ははんさてはカレシさんからのお電話待ちでしたか、ひゅーひゅーといった、どんな状況でも飛び出す冗句のワンクッションが出て来なかった、という違和感。
受話器を持ち替えるひとつの間を置く。
「オッケィ、解ったわ。――で、どうしたの?」
普段ならば2つ返事で了解を得るその申し出に、あえて質問を加えた。
実家に用事が出来て、と一瞬の間の後、彼女から言葉が返る。
「――嘘でしょ」
電話の向こう側に居る彼女が薄く空気を呑み込んだのを見計らって、「あのね」と細く長く息を吐いた。
「アンタって、嘘吐く時、微妙に間が空くのよ」
「え、嘘」
「嘘よ」
再び細く長く息を吐く、電話の向こう側は沈黙している。
「サボりたいんなら素直にそう言いなさい」
「ケイコさ」 「ひな子」
強い口調で遮って、言い差した台詞を噤ませた。
「アンタ、大体2ヶ月おきに、しかも唐突にサボるのよね」
――しかも偶にそのまま入院するし。

何があるのか知らないけど、と突き離し気味に区切ってから、受話器に語りかけた。
「正直、サボりの理由云々はどうでもいいわ、でも、アンタの事は、少し心配よ」
気恥ずかしくも言い切れば、ケイコさん、と、普段よりも縮こまった声が返ってくる。
「でっかい蜘蛛と、ヤバイ宗教団体と、でっかい蛇とわたしが戦ったら、どっちが勝つと思います?」
答えを求めるその言葉に、薄く笑って返した。
「――アンタは殺しても図々しく生きていそうだわ」

そして、何時もの笑い声が返った。

「・・・アハ」

 
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プロフィール
HN:
闇無陽
年齢:
32
性別:
女性
誕生日:
1992/03/09
職業:
銀誓館学園所属女子高生。
趣味:
花や蟲の世話とオルガン弾き(※下手の横好き
自己紹介:
蟲使いの生家、敬語口調と毛色を除けば、基本普通の女子高生。ごく普通でない学生生活を、悩み目論み日々奔走中。
***
メセ*taratta-rattatta.i@hotmail.co.jp
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